フッ素で虫歯予防

フッ素が虫歯の予防に効く、という話を時々聞きますが、「フッ素を塗っているから、あとは何もしなくても大丈夫!」というものではありません。定期検診や歯のクリーニングをして、自分でもきちんと歯みがきをした上で、さらにむし歯のリスクを減らすために利用するもの、それがフッ素です。

フッ素は、歯に塗ることで歯の質を強くし、むし歯になりにくくする薬です。歯科医院で行なうフッ素塗布のほか、自宅で使えるフッ素入り歯磨き材や洗口液もあります。当院でも販売しておりますので、ご希望の方は受付にお申し出ください。

フッ素を塗った後は、30分間、食べたり飲んだりしないでください。うがいも、30分間はがまんしてください。口の中出てきた唾液は、吐き出すようにしてください。

フッ素は、虫歯になりやすい、生えてきたばかりの歯や、歯ぐきが下がって出てきてしまった歯の根の面に塗ると、効果が高いです。

虫歯予防の基本は、生活習慣です。
フッ素も、むし歯予防の一つとして位置づけ、正しい歯みがきを毎日して、歯科医院での定期検診とクリーニングを必ず受けてください。

歯にフッ素を塗る方法の虫歯予防効果

歯にフッ素を塗る方法の虫歯予防効果については、1940年代から多くの報告があります研究の条件の設定方法に違いはありますが、フッ素を歯に塗った場合、おおむね10?40%の虫歯予防効果と考えられています。

歯にフッ素を塗る方法をフッ素歯面塗布法と言いますが、これは乳歯だけが生えている時期には有用なフッ素局所応用法です。乳歯虫歯の予防効果は、対象年齢を6歳以下に限ると12?34%と言われています。

3才までの子供のフッ素塗布の効果

3才児歯科健康検査の虫歯の状況をみると、1才6か月から半年に1回の間隔で定期的にフッ素塗布を続けた幼児は、新しく出来た虫歯の数が、フッ素を塗布しなかった幼児と比べて46%の減少を示しています。

また、10か月児から年6回のフッ素塗布を受けた幼児では、虫歯のない子供が2.5倍に増えました。

大人の虫歯予防にも効果はあるの?

フッ素を使った虫歯予防の研究対象は、集団で統計管理しやすい幼児や児童のものがほとんどですが、もちろん大人の歯にも虫歯予防効果はあります。

フッ素はどのように虫歯予防の効果を発揮するかというと・・・

まず、食べ物を食べると口の中の虫歯菌が糖質と結びついて酸を作り、その酸が歯を溶かしますこれを脱灰といい、脱灰が進んだのが虫歯です。フッ素は、歯の質そのものを酸に溶けにくくする働きがあります。脱灰の反対の意味で再石灰化というのがあります。歯の表面の汚れを取り、フッ素を補う事で、失われたカルシウムなどのミネラルを再び歯の中に戻すことが出来るのです。

フッ素の歯面塗布の安全性について

フッ素の歯面塗布は、多くても年に数回の実施なので、慢性毒性の心配は全くありませんし、急性毒性についても適正な用法においては、十分な安全性が認められています。

フッ素は体に悪いと聞いたけど・・・

それは科学的根拠の無い迷信です。フッ素の虫歯予防効果の有用性やフッ素の適正使用における安全性に意義を唱える科学者はいません。

フッ素の適正使用量について

日本のフッ素歯面塗布材のフッ素濃度は、全て9000ppmであり、1回に使用する薬液量は、綿球や綿棒で塗布する場合1?2mlでフッ素量としては9?18mgです。3才以下では1mで済みます。APFゲルの場合は1g(フッ素量9mg)です。

フッ素の急性中毒発現量は、体重1kgあたり約2mgなので、平均体重10kgの1才6か月児の場合で20mgです。つまり、使用薬液量を1mlとすれば、フッ素を全部飲み込んだ場合でも、急性中毒の発現量以下です。

実際に幼児の歯にフッ素を塗って、口の中に残るフッ素量は、1?2mgです。

以上から、フッ素は十分安全であるのが分かると思います。フッ素よりも虫歯になる方が怖いですよね。

フッ素入り歯磨材はどうなの?

もちろん使って下さい。毎日の生活の中で、口の中に微量のフッ素がある事は、虫歯予防効果がある事が知られています。もし、子供が歯磨材を丸々2本飲み込んでもフッ素の急性中毒の心配はありませんのでご安心下さい。

フッ素洗口法の虫歯予防効果

3~4歳頃からブクブクうがいができるようになりますが、その頃から永久歯が生えそろう中学生頃までの間、専用のフッ素溶液でフッ化物洗口を続けると、40~60%の虫歯予防効果が期待できます。

しかもフッ素は、歯の質を強くします。虫歯菌が出す酸に対して歯が溶けにくくなっているので、成人になっても虫歯予防効果が持続するといわれています。