コラム

ネオデントインプラントのミニコニカルアバットメントの強度

ネオデントGrand Morseアバットメント強度について(2023年研究論文紹介)

インプラント治療において、「接続部(アバットメント)」の強度と耐久性は、長期的な成功に直結する重要な要素です。
だからこそネオデントインプラントのネオアーチ(≒オールオンフォー)において、ネオデントインプラントのミニコニカルアバットメントの細い頸部の金属強度を心配する歯科医師も多いと思います。

しかし、これを「多数決」や「漠然とした不安」で済ませてしまってはいけませんね。科学的に検証する必要があります。そこで、Neodent社のGrand Morse(GM)インプラント用のアバットメントの疲労強度を、科学的に評価したの研究論文を要約しました。

研究内容

Benalcázar‑Jalkhら(2023)は、Neodent Grand Morse(GM)と、他社のEpikutインプラントにTi-baseアバットメントを装着し、段階的疲労試験(Step-Stress Accelerated Life Testing: SSALT)を実施しました。これは、日常の咀嚼に相当する力を何万回もかけ、耐久性を統計的に評価する試験です。

ネオデントアバットメント論文のデータ

ネオデントアバットメント論文より

結果

  1. 100Nの咬合力(前歯~小臼歯に相当)では、GMインプラントは100,000サイクルにおいて99%以上の高い信頼性を示しました。
  2. 150Nのより高い咬合力でも、5.0mm幅のインプラントでは依然として99–100%の高耐久性を維持。
  3. 故障モードはTi-base部分の破折に限られ、インプラント体やスクリューに影響は見られませんでした。

結論

この基礎研究により、Grand Morseシステムが長期間にわたり安定して機能する高い機械的信頼性を持つことが裏付けられました。臨床的に実際の患者が長期間使った結果ではありませんが、この基礎研究は患者さんにとっても歯科医師にとっても大きな安心材料と言えます。


👉 論文の詳細はこちら(英語)
🔗 Fatigue Reliability of Titanium Base Abutments – PMC